口臭がなぜ自分の嗅覚で分からないのかは特殊な仕組みにあった!
自分の口臭を正しく判断できないのは嗅覚にあるといいます。
その嗅覚というのは、鼻腔の中にある臭を感じ取る粘膜(臭粘膜)という部分で空気中の臭いをキャッチします。
こうして臭いを感じ取る嗅覚が備わっているのに、自分の口臭を実感出来ないのは次のような事が関係しているからです。
嗅覚は特殊感覚という真実
何かを見る、聞く、味わう、嗅ぐというこれらの事柄はすべて特殊感覚で感じます。
普段は当たり前のものとして意識する事はないですが、どれか一つが欠けても不自由なもの。
これらの特殊感覚は動物が生きていくうえで、自己防衛するための能力といえますし、それらから得た情報を総合して満足感や感動を満たすことにもなります。
しかし人には好みがあるように、見たくないものから目を遠ざけたり、嫌な味なら食べない選択を取ることができますが、
臭いは不快だからといって、ずっと鼻をつまんでいるわけにはいきません。
そのため、嗅覚には疲労や臭いに対する閾値という概念があるのです。
《閾値(いきち)- 人間の感覚で知覚できる最低の刺激を意味する。
臭い物質も高濃度でなければ感じないものや、微量でも感じるものと様々で、臭うか臭わないかの目安とされるもの。》
嗅覚は疲労するもの
犬ほどではないですが、人間も微かな臭いを嗅ぎ分ける能力が備わっています。
ところが、どうでしょうか。
先ほどまで気になっていた臭いというのは、麻痺したようにいつの間にか分からなくなってしまった事がよくあるはずです。
部屋の中に入ったときに強く感じられた花の匂いも、時間が経つにつれて気にならなくなり、別の事に集中してしまうとまったく気にもならなくなります。
香り立つコーヒーが休憩時間に出されれば、その匂いに関心が移ってしまいます。
自然界には多くの臭いが存在するわけですが、次から次へ嗅覚というのは刺激されていくわけです。
その嗅いできた匂い、或いは臭い全てに反応していては精神的に疲れてしまいます。
また、新たな臭気を的確に把握するためにも、持続中の臭いにたいしては反応が鈍ってきます。
これを嗅覚の疲労と呼んでいます。
しかし、危険から身を守る自己防衛本能として、新たな臭いには敏感になります。
よくあるものとして、ガスの臭いといった悪臭等には特に反応するものです。
ただ、同種の臭いには順応してしまいわからないこともあります。
臭いは感情によって左右される
悪臭というものは誰しもが嫌悪感を持つはずです。
しかし、同じ悪臭を嗅いだとしても感じ方に違いが出てきます。
そこには個々人の好みや感情が付加されるからです。
一番身近な例として、一匹の猫がいるとします。
猫というのは多かれ少なかれ臭いがあります。
誰が嗅いでもその猫の臭いには大した違いは無いですが、とても可愛がっている飼い主にとっては好ましい匂いとして感じるでしょう。
その一方で、ペット嫌いの人には近寄ってほしくない、なんともいえない嫌な臭いと受け止められます。
こうして、同じ人間が同じ臭いを嗅いだとしてもその感じ方や評価はそれぞれ。
これが人間関係だったとしても同じです。
相思相愛の恋人同士にとっては、お互いの匂いはこの上もなく好ましく感じられることでしょう。
これは、好きという感情が好きな匂いとして錯覚してしまうことによるものです。
ところが、感情がもつれひとたび熱が冷めてしまうと、臭気まで一変したかのように、とてつもなく嫌な臭いとして好きではいられなくなるといわれます。
普段は良い匂いと感じていたものが、何かをきっかけにして不快な方向に気になる、嫌悪感すら覚えるという経験は誰しもあると思います。
こうして臭いを感じるその時の状況に応じて、受け止め方はまったく変わっていまうのです。
まとめ
こうして臭いについての判断は、人間の疲労・閾値・感情等さまざまな要因が関係します。
特定の臭い物質を正確に評価することすら容易ではありません。
ましてや口臭を評価しようとした場合、その人の言動や容姿、身の回りの人間関係に大きく左右されてしまいます。
更に受け取った感覚を言葉で表現することも困難です。
物の長さは簡単に測れるものであっても、臭いというのはそうではありません。
凄く嫌でたまらない臭いと言われても、決して実態を理解できないものです。
受け取り方は人それぞれ。
口臭と嗅覚は、このような関係があるというのを理解することが重要です。
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