歯周病による口臭は自覚すべし!症状も気づかないうちに酷くなるよ!
口臭にはさまざまな原因があるものですが、最も密接に関わっているのが口周り、いわゆる口腔です。
むし歯のようにしみたり痛かったりすれば、歯科医のもとに行くでしょうが、自覚する症状がない歯周炎のような慢性炎症が実は口臭の最大の原因となっているのです。
口臭の原因の八割以上はこのような口腔内の炎症によるものといえます。
口以外でも、鼻腔や咽頭などに起こった症状のない軽度の炎症も、口臭の原因となりますので注意が必要です。
ここではその口腔による口臭について取り上げます。
歯周病
いまでは当たり前のように、歯周病という言葉を耳にするようになりましたね。
これはお口の二大疾患の一つでもあります。
歯そのものの病気である「むし歯」、そして歯を支えている周囲の組織の病気「歯周病」、この多くは以前には歯槽膿漏といわれていました。
昔はむし歯予防意識があったのですが、細菌では増加傾向で、しかも歯周病ですら若年者を含め増加傾向にあります。
50代ともなれば、その80%は歯周病に罹っているといえます。
このような歯周病が起きる背景には、無数の細菌が付着していることによるものです。
歯の表面や歯肉の境目に、ふわふわと軟らかく白っぽい汚れが付くのはご存知でしょうか。
そう、これは歯垢(プラーク)とよばれるもので、決して食べ物のカスではありません。
もちろん多少は食べ物のカスなども含まれますが、その多く(70%程)は細菌です。
特に歯と歯肉との境目、歯と歯の間に毎回の歯みがきで歯垢が取り残され次々蓄積していくと、害を及ぼす細菌が増えます。
細菌の出す毒素・酵素、あるいは生体との免疫応答により、歯肉には炎症が起こります。
それが放置されることで、炎症は深部に広がり歯を支える骨までをも溶かしてしまいます。
その結果、歯肉から膿が出たり出血します。
多くの細菌、そして組織が破壊されて出る膿や血、これらが嫌な臭いの源です。
歯みがきにより歯垢は除去できますが、その直後からまた直ぐに付きはじめます。
どんなに一生懸命歯みがきをしているつもりでも歯垢はつきます。
病気が進むと歯はぐらぐらして、物がよく噛めなくなります。
このような症状は既に末期状態となり、ほとんどの場合は症状も無く進行します。
なので何らかの症状を自覚するまでの間は、知らず知らず口臭が出ていても不思議でないような環境のお口で、放置されているわけです。
口臭の最大の原因はこの歯周病です。
歯みがきを適切に行うことは、この歯周病を予防する最も効果的な手段であり、同時に口臭を予防することにもなるわけです。
特殊な歯肉炎
歯垢がたまると歯肉には炎症が起こりますが、一般的には歯肉部の軽度の炎症(歯肉炎)ではほとんど口臭が認められません。
かといって、これを放置すれば炎症は深部に達し、歯肉炎に移行するので軽視はできません。慢性的な歯肉の炎症は要注意です。
日頃からお口の清掃状態が悪く、極端に体が疲労したりして全身の状態が悪化した場合、歯肉の抵抗力は低下し、まれに歯肉に急激な感染症が起きることもあります。
発熱を伴い体はだるくなり、激痛で物は食べられなくなります。
歯肉は赤くただれ出血し、組織が死んでしまうと灰白色に変化します。
このような場合には非常に強い口臭を発してしまうことになります。
また、歯肉や粘膜は全身的な影響を受けやすい部分でもあります。
歯肉や粘膜がただれ、ずきずきと痛むため歯ブラシなどによる清掃が困難になり口腔環境が悪化した結果、口臭が出る場合もあります。
急性炎症の場合は、その炎症が穏やかな症状になるにつれ口臭も消失します。
しかし全身疾患による慢性的な場合は、口臭の改善もなかり困難で、対症療法により極力症状の改善に努めることとなります。
義歯
ある程度の歯が失われると、物を噛む機能を回復するため義歯が装着される事が多い。
多くの義歯はレジンという樹脂で作られていて、ある程度の吸収性があるので、唾液成分が吸着します。
唾液には歯垢と同様に、細菌をはじめとした多くの有機成分で成り立っています。
なので外した義歯の臭いを嗅ぐと必ず臭いはするものです。
ここで問題なのは管理が行き届いていない場合です。
義歯を入れたまま食後も手入れしないままだと義歯が汚れるだけでなく、周囲の歯もすごく汚れ歯周炎になってしまいます。
また、義歯に接する粘膜にも炎症が生じることになります。
口の中の汚れという点に於いて、義歯を使用することで以前より悪化した口腔環境になるのを自覚する必要があります。
毎回義歯を外し自分の歯を入念に歯みがきしつつ、義歯の清掃にも特に注意を払うべきです。
多数のむし歯
むし歯により口臭が認められることはまれです。
しかし、口の中の殆どの歯がむし歯だと、口腔の清掃も非常に悪いことを意味し、むし歯のみならず歯周炎になっていることが一般的です。
またむし歯が進行し歯の中の神経が死んでしまった場合は、壊疽(エソ)臭といわれるとても臭い腐敗臭が出てきます。
唾液の分泌
分泌される唾液の量には個人差がありますが、極端に少なければ口腔内の環境は悪化します。
薬物服用の副作用や全身的な原因によるものが多いです。
この場合はよりいっそうの口腔清掃が必要になってきます。
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